「"竜之介"を奪いにきた…だが、まずはお前からだ。勝負しろ。銀狐…」
「わかりました…」
こあさはこの前の姿に戻り、刀を抜いた。
「おっと…ここは場所が悪い…別の場所でやらないか?」
そう言うと男は呪文を唱え空間が歪んだ。
「なんだコレ!?」
蓮と結海と杏奈の3人は戸惑いを隠せないでいる。
「空間移動だよ…大丈夫…場所が変わるだけで危害はないから…」
聖は深刻な顔で3人に説明した。
「さぁ、始めようか…」
「はい…」
鬼と銀狐は刀を構えた。
しばらくの沈黙のあと、2人は刀を交えた。
カキィィィン!!
「くっ…!」
「そんなに"竜之介"が大事か…一度捨てられたというのに…」
「黙れ!!」
キィン!!
男は一度、こあさから離れた。
「かなりの絶望だったろう…飼い主に捨てられたら…可哀想に…」
「黙れ黙れ!!」
こあさは人が変わったように目の色が禍々しい赤色に変わり、牙を出した。
「200年前と同じ…500人の人間を殺めた…あの時の…変わらないな…銀狐…貴様はあの時のままだ。」
男はニタァと笑った。