クリスマスイブに彼と会う事を伝えると、
母は、いつもの様に私の心配をした。
彼とは、もう何度も会っているのに。
杖がないと外を歩けず、
家の中ですら、つまずいて歩く私が彼と会う時は、
いつも彼が私の住んでいる街まで来てくれた。
そんな誠実な彼の事を、母は良く思ってくれているはずなのに、
私は、まだ一度も母に彼を紹介した事は無かった。
別に、彼と私の心の絆を理解してもらえるかなんて、
そんな事を悩んでいるからじゃない。
私の心に余裕が無かったんだ。
一人になると決まって不安に支配される。
涙が止まらなくなる。
過呼吸で苦しくなる。
そんな私を、いつも彼が大きな心で包み込んでくれる。
今度、母にきちんと紹介したい。
大切なあなたと私の心の絆。
あなたが私の“勇気の杖”だから。