泊めてもらって、昼食まで戴くのはさすがに気が引けて、
昼前に帰ることにした。
「紅璃ー。別に食べてっても良いのにー。
遠慮すんなってー。」
「ううん。申し訳ないからさ。」
「まあ、いいやー。
また来てねー。」
「うん!ばいばーい。」
「ばいばーい。」
そう言って七海の家を出る。
今日は快晴だ。
あ、日焼け止め塗るの忘れた・・・。焼けちゃう・・・。
私はあわててタオルを被り、
近くの化粧品店に急いだ。
化粧品店に
一歩入って、すぐ、血の気が引いた。
佳奈先輩がいる・・・。
幸い、あっちは気付いていないみたいだ。
すぐ引き返し、家の方へ走った。
佳奈先輩から、ずっと、こうやって逃げなきゃならないの?
なんだか、弱い自分が情けない。
ガッシャーン。
自宅の門を乱暴に開け、家に駆け込む。
「おかえりー。楽しかった?」
「あ・・う・・・うん・・・。」
「そう。それは良かった。
今度は泊まりに来てもらいなさいね。」
「うん・・・。わかった。」
自分の部屋へこもる。
ふちやらなきゃいけないことに気付いた。
晃輝先輩に全てを話す・・・。
(どうしよう。)
メールしちゃえばいいのに。
思い切り甘えちゃえばいいのに。
私の中の私が私を追い立てる。
そんなのわかってる。
でも・・・迷惑かなとか思うと何もできなくなるんだ。
不器用な自分にことごとくイラつく。