遠い遠い君へ

くろ  2006-08-13投稿
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泊めてもらって、昼食まで戴くのはさすがに気が引けて、
昼前に帰ることにした。

「紅璃ー。別に食べてっても良いのにー。
 遠慮すんなってー。」

「ううん。申し訳ないからさ。」

「まあ、いいやー。
 また来てねー。」

「うん!ばいばーい。」

「ばいばーい。」

そう言って七海の家を出る。
今日は快晴だ。
あ、日焼け止め塗るの忘れた・・・。焼けちゃう・・・。

私はあわててタオルを被り、
近くの化粧品店に急いだ。

化粧品店に
一歩入って、すぐ、血の気が引いた。

佳奈先輩がいる・・・。

幸い、あっちは気付いていないみたいだ。
すぐ引き返し、家の方へ走った。

佳奈先輩から、ずっと、こうやって逃げなきゃならないの?
なんだか、弱い自分が情けない。

ガッシャーン。
自宅の門を乱暴に開け、家に駆け込む。

「おかえりー。楽しかった?」

「あ・・う・・・うん・・・。」

「そう。それは良かった。
 今度は泊まりに来てもらいなさいね。」

「うん・・・。わかった。」
自分の部屋へこもる。
ふちやらなきゃいけないことに気付いた。
晃輝先輩に全てを話す・・・。

(どうしよう。)

メールしちゃえばいいのに。
思い切り甘えちゃえばいいのに。

私の中の私が私を追い立てる。

そんなのわかってる。
でも・・・迷惑かなとか思うと何もできなくなるんだ。

不器用な自分にことごとくイラつく。



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