召し上がれ

VISIA  2009-12-20投稿
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 最近のお爺さん、元気がありませんの。

 刺激が足りないのかと思って、裸エプロンとかしてもダメ。

私、これでも
B90W60H80なの
70歳ですけど。

 女体盛りだって考えたのよ。でも、それだと料理出すとき大変でしょ。
 それで、考えたの。物凄く刺激的で、栄養のある美味しい料理。
少し大変そうだけどね。さあ、準備、準備。


 …これで出来上がり。お爺さん、喜んでくれるかしら。
「お爺さん、夕食が出来ましたよ。いらして下さい」
「おお、いい匂いだね。美味しそうだ」

 お爺さんが席につくのをみて、料理をテーブルへ運んでいく。

「さあ、これを食べて元気を出して下さいな」

「……」

 お爺さんの前に出されたものは、大きな皿の上に、白っぽい、四角の固まりが一つあるだけだった。
縦20センチ
横30センチ
高20センチ

「これは、何だい?」
「何に見えるかしら?」
「…コンクリート?」
「そう、正解。でも、ちゃんと食べられるわよ。ゼラチンで、出来ているの。表面の艶消しも完璧ですわ」

「じゃあ、中は…」
「ふふ、見てからのお楽しみですよ」

お爺さんが、フォークとナイフを使って、慎重に固まりを割っていく。

 半分ほど崩した時、何か黄色い物が出てきた。よく見ると、人型をしている。

「…オムレツかな?」
「そう。人型に仕上げるのは、大変でしたのよ」

「この左胸の所、爪楊枝刺さっているけど…」
「そうね、ふふん」

 お爺さんが、爪楊枝を抜くと、赤い液体が出てきた。それに驚きつつ、人型オムレツに、ナイフを入れていくと、赤い液体が溢れ出てくる。

「…すごい演出だね」
「オムレツの中も見て。ホタルイカで作った胃、中はレモン汁ね。それから、腸は焼きホルモン。その他いろいろ」

「この下の、2コのグリンピースの間にあるのは…ヒジキ?」
「そう、男性。さあ、沢山食べて栄養つけて下さいな。」


「演出は、これで終わりだよね…」
「さあ、どうかしら。」
料理を食べて出てきた、皿に書いてある文字を読んだとき、お爺さんは、どんな反応してくれるかしら?

ふふん、楽しみですわ。



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