「来るな、来るな、来るな、来るな、来るなー!」
「来るのは、まだ早いっー!」
「頼むから、あともうちょっと待ってくれっ!」
「ほら、炬燵でみかん食ってていいからっ!」
「だから、あと一週間ほど待ってくれー!」
「クリスマス!」
そう、それはそれ自体がサンタからの贈り物。雪によって装飾された街を行くカップルたちは、映画のワンシーンかと思えるほどロマンチックな世界をそれぞれ作り上げている。
しかし、人によってはそれはサタンからの贈り物。雪の降る街は、俺の気分とキレイに白と黒のコントラストを作り上げている。もはやブラッククリスマスである。
彼女いない歴=19年(即ち俺の年齢)である俺にとってクリスマスとは国を挙げての、いや、全世界を挙げてでのイジメ以外の何物でもなかった。