サンタさん、ありがとう! (1)

阿部和義  2009-12-21投稿
閲覧数[700] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 パパもママもおかしいよ。

 おばあちゃんにおこずかいをもらったときも、孝太郎おじさんにゲームを買ってもらったときも、ちゃんとお礼を言いなさいって言ってたくせに、サンタさんには言わなくていいなんてさ。

 今年は絶対にサンタさんにお礼を言うんだ。直接、どうもありがとうって言うことに決めたんだ。

 パパは次の日会社だから、そんなに遅くまで起きていられないみたいだけれど、最初は夜更かしは駄目って言っていたママも、一緒にサンタさんを待っててくれるって。

 サンタさんはどこから僕の家に入ってくるんだろう?

 うちには人が通れるような煙突なんてないし、玄関もベランダの窓も夜は鍵がかかっているはずだし。

 もしかして、『どこでもドア』でいきなり来るのかもしれない。

 パパはタイムマシンみたいに突然入り口が現れるんじゃないかって言ってる。

 だから、うまく僕の部屋に来られればいいけれど、台所だったり、トイレだったり、お風呂場に来ることもあるかもしれないって。

 ちゃんと、こんばんはの挨拶もしたいから、ずっと部屋で待ってるわけにもいかないし、忙しい夜になりそうだ。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 阿部和義 」さんの小説

もっと見る

公募投稿作品の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ