世界でひとつだけの物語。?

麻呂  2009-12-21投稿
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『お姉ちゃん。気分はどう!?』


三つ違いの妹の桜子は、いつも私の心配をし、こうして部屋まで来てくれる。


『うん。今日は少し気分がいいの。』



『そう、よかった。ふふ‥イブに彼と会うんでしょ!?

何着てくか決めた!?』



『ううん。まだ決めてないよ。桜子ありがと。私、目が悪いからさ。』



『え〜っっ!!だめだよ!!

おしゃれしなくちゃ!!

イブに会うんだからさ!!

今から買い物に行くよ!!』



『え‥ち、ちょっと‥桜子‥‥待って‥!!』



妹は、私とは全く正反対な性格だ。


明るく社交的で、


妹の周りには、いつも、にぎやかに人が集まってくる。


友達を大切にする優しい妹は、姉の私にも優しい。


思春期の頃、そんな妹に嫉妬してしまう自分が嫌になり、


悟られない様に、妹を避けていた時期があった。


けれど今は分かる。

彼女も彼女で苦しんでいたんだって。


ある時、妹が泣きながら私に言ったんだ。



『お姉ちゃんごめんね。

私だけ健康に生まれて来てごめんね。

お姉ちゃんの気持ちも考えないで‥‥。
自由気ままに行動してごめんね‥‥。』


『桜子のバカ!!

そんな事思ってくれてたんだ!?

気にしなくていいんだよ。

桜子は桜子。私は私だもん。

だから、桜子は今まで通り、自分らしく自信を持って行動していいんだよ。

お姉ちゃんは、桜子の事、大好きだからね。』



あの時、二人で声を出して泣いたっけ。

思い返せば、懐かしさでまた泣きそうになる。



自分らしく自信を持って――



もしかしたら私、自分に言い聞かせていたのかも知れない。


あの時の私は、まだ自分自身を受け止めきれていなかったと思う。



『お姉ちゃん。支度出来たら行くよぉ。』



けれど今は違う。



私には目標がある。


それは、



少しずつ、



少しずつ、



前に進んで行く事。


それは、



あなたが教えてくれた。



少しずつ、



少しずつ、



ゆっくり‥‥ね!!

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