「200年前……?何があったんだ!?」
「なんだ、知らないのか?銀狐が封印された理由。」
「黙れェェェ!!」
こあさは男に飛びかかった。
「なんだ、もう終わりか?」
男の刀はこあさの首のすぐ横にあった。それをお構い無しに男の腹部を切り裂いた。
「ぐぁぁ!!」
男の血がこあさの顔や手に飛び散る。
「イヤァァァァ!!こあさ君!やめて!!」
杏奈は泣き叫んだ。結海は杏奈を抱き締めた。
こあさは刀についた血を舐め取った。そして刀を男の首に向けた。
「こあさ君!!」
杏奈が叫んだ。だが、こあさは聞く耳持たず、何かに取り憑かれたかのように刀を振り上げた。
「させるかよ!!」
蓮はこあさの前に飛び出した。刀が蓮の首ギリギリで止まった。
「俺は!!お前が500人殺してようが、何してようが知らないし興味もねぇ!!お前はお前だ…こあさ…」
蓮は恐る恐るこあさの頬を撫でた。
「竜…之介…様…」
そう言うと、こあさは力無く刀を落とした。
こあさの禍々しい赤色の目は綺麗な青色に戻り、その目から涙が零れた。
「こあさ……」
蓮はこあさをゆっくり抱き締めた。