俺が死のうかとビルの屋上に言った時、周りの人間は言った。
お前が今死のうと思ってる時、生きたくても生きれない人がいるんだぞ、ってさ。
俺は少し考えたんだ。もし俺が死ぬ事をやめたら、そいつらは生きれるのか?俺が死ぬ事をやめたら、そいつらは嬉しいのか?答えは否、だ。
でも見たくなった。この世界にいる人間を。
俺は柵をよじ登って戻る。周りの人間は俺が今の言葉で戻ってきたんだと思ったようだ。
しばらく生きて、世界をよく見てみた。
この世界に本当に人間をよくわかっている人は何割いるんだろうか。少なくとも俺は二割ほどしかいないだろうと考えている。…矛盾、しているんだと思う。
人間は欲望の固まり、確かにそうだ。人間を殺せば死刑だろ?動物を殺してもたいした罪にならない。
世界平和?そんなもん夢だ。目の前の喧嘩も止めずに素通りするくせに何が世界平和だ。個人の喧嘩が止めれずに国の喧嘩を止めれるか。
頭の悪い者、運動神経の悪い者、家柄が悪い者、性格が暗い者、気の弱い者。ほら見ろ、社会のいじめの始まりだ。
いじめっこっているだろ?あいつら道徳の時間の作文に"いじめはしてはいけないことです"って書いてるぞ?
自分はいいのに他人はだめなんだとさ。そんなやつ、たくさんいるだろ?
少し見直せばわかるはず。俺はとある話を思い出した。
ある日神は言った。
地球上の皆様、私は神です。今直接皆様の頭の中に語りかけています。今回地球ができてからちょうど百億年なのでお祝いに皆様のお願いを一つ叶えましょう。明日の朝までに一番多かったお願いを叶えます。
世界は大パニックになった。やれ環境問題だやれ核兵器だなかなか意見はまとまらない。そうして朝を迎えた。
約束の朝です。お願いの集計が完了しましたので今から実行致します。
一瞬で、地球上からすべての人間が消えた。
人間を消して欲しい
地球上の生き物は人間以外にたくさんいるのだ。それはみんなの願いだった。
これは俺が一番好きな話。いつか世界は神がいなくともこうなると思っている。
偽善ばかりでは、生きていけないんだ。そんな事を思いながら、今度こそ俺はとんだ。
偽善
(でもそんな人間が面白いのだ)
神様の話は適当に考えました。
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