ただ、結衣子は、幼い頃から表彰をよく受けた。 親に恵まれない数に反比例して、何気ない遊びの中で描いた絵や、奏でた音を認めてくれる大人に多く出会えて、テレビがまだ一般家庭に普及しない頃からテレビ出演の機会を得た。 それを自慢して歩くのは、千鶴子には嬉しいことであり、実際、逢う人毎に、結衣子のテレビ出演は、千鶴子に声掛けがあった。
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