その翌日、男はあまり眠れないまま朝を迎えた。
目は覚めていたが、ベッドの上で、目をつむったまま何も考えず、ボーッとしていた。
しばらくして立ち上がり、顔を洗って、歯を磨こうと思ったのだが、歯みがき粉が切れていた。
どうせもう必要ないし、今日は我慢しよう。
そう思っていたが、やはり口の中がざらざらしていて、気分が良くないので近くの薬局に買いに行った。
家に戻り、すぐに歯を磨く。
歯を磨いている途中、熱帯魚に餌をやっていないことを思い出し、歯ブラシをくわえたまま餌をやったのだが、今日はいつもより少し多めにやった。
男は自分も腹がすいたので、トースターに食パンを入れ、スクランブルエッグを作り、焼いたベーコンを添えて皿によそった。
そしてトースターのチン、という音と同時に朝食をとる。
その時点で既に十時半を過ぎていた。
男は左手の腕時計をちらっと見て
あと、6時間か。
と呟き、食べた皿を流しに置いた。
その後、ソファーに腰掛け、正面にあるテレビを付けたが、どれも面白そうな番組はやっていなかったので、すぐにテレビを消した。
そして、そのままソファーで少し仮眠をとることにした。