YES 1

ゆう  2009-12-26投稿
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唐沢あゆ。
地元の女子校に通う17歳。
どこにでもいる平凡な普通の女の子。

運動はちょっと苦手。
勉学も真ん中くらい。

取り柄といえば…ピアノが弾けることくらい。




今日は高校最後の体育祭。

嫌だなぁ。

私は運動音痴なのもあって、当たり障りのない障害物競走に出る。

「あゆーっ!がんばってー!」
友達のなっちゃんが応援席から声援を送ってくれる。

「あは…」
私は笑顔を引きつらせて応えた。

順番がまわってくる。


「よーい…」

パァン!!


勢いよく一斉に走り出した。

平均台を渡り

はしごをくぐり

ネットの下をくぐり…

ぐいっ

あれ?


髪留めがネットに引っかかって取れない!!


焦れば焦るほど、取れない!!


応援席からは笑い声が聞こえてくる。


恥ずかしい!!



「動かないで」

え?


あ 同じクラスの…桐島さん。


「取れたよ」

「あ、ありがとう!」

私は早口に例を述べると走ってゴールした。



カズと話したのは、これが初めてだった。



続く



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