「メリークリスマス！」とそのサンタクロースもどきは言った。
「メリークリスマス。あなたは誰？」と典子はおそるおそる聞いた。
「私はサンタクロースの孫娘のレディ・サンタ。世の中じゃ、うちのおじいちゃんの事ばかり取り上げるをだから嫌になっちゃうわ。」とレディ・サンタは言った。しかし、ここで驚くべき事があった。普通ならサンタクロースは白い大きな袋を持っているはずなのに、レディ・サンタは何も持っていなかった。
「あのー？レディ・サンタさん、あなたのおじいさんのサンタクロースはいつも大きな白い袋を持っているのにあなたは何も持っていない。一体、あなたは何をするの？」と典子は思った事を口にした。
「よく気がついたわね。あなたはなかなか良い目をしてるじゃない。私のおじいちゃんの仕事は子供達にプレゼントを配って夢や希望を与えるんだけど、私は違うの。私の役目は、世の中でいうカウンセラ−やハッピーセラピストとでも言うのかなぁ。世の中で、道に迷っていて暗い考えの人に幸せになってもらう為に助言をするの。そう、あなたはまさにそれに相応しいよね？」とレディ・サンタは自分の役目を典子に伝えた。
「私はクリスマスが嫌いなの。私はクリスマスを毎年、シングルベルで迎える哀れで不幸な女なの。」と典子は自分の気持ちを伝えた。
「不幸な女、あなたみたいに幸せな人が？あなた、自分をよく振り返ってみなさい。」と強くレディ・サンタは言った。
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