recall project #33

ERROR  2009-12-28投稿
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メガネが話し終え、それを待っていたかのように怜が女性に尋ねた。
「じゃあこのPP換金所?ってあまり利用されないんですか?」
女性は微笑して答えた。
「いや、結構換えにくるよ。ある時期に集中的にね。」
「ある時期って……なんですか?」
メガネがゆっくりとした口調で聞く。
「まぁ、あんまり詳しくは言えないんだけどね。あっ、そうだ。特別に君達にはアドバイスしたげる。PPは貯蓄すること。金から換えてでもね。」
(金から換えてでも……?そんなにPPに重要な意味が?)
俺は少し不安になった。
「まぁ、始めはそこまでシリアスにならなくていいから。まずはここでの生活に慣れることね。」
ありがたいアドバイスをもらった。俺達は他の人より数歩リードしているに違いない。
話が途切れ、俺達はまたリストの載った紙を見た。
「かい君、ここ、ガム売ってるよ。でも誰か買うのかな?」
怜が俺にそう言ってきた。
「15PP、ガムごときにこれは勿体ないな……」
俺がそう呟くと、女性は表情を変えて大きめの声で言った。
「とんでもない!このガム、この売店の売れ行きNo.1の人気商品なんだから。」
俺達は驚いた。急に女性が大きな声を出したこともあったが、理由は他にあった。何故学園内で生活する中で必要性の低いガムが一番売れているのか、ということだった。
「な、何故ですか?」
黙っていられず、俺は女性に聞いた。
「眠気覚まし用よ。たくさんの生徒が買って行くの。このガム、居眠り防止にはもってこいなの。」
女性はそのガムを机の上に出して言った。
「それはペナルティを受けないため、ですか。」
メガネが確認するように言った。
「うん、このガムはここだけで売ってる特別商品。しかも値段も他のものに比べてリーズナブルだから全生徒に人気があるの。たいていの人がストックしているね。」
「そうなんですか……」
怜が頷いて言った。
「もう紹介するものはこれくらいね。あっ、そうそう。あたしの名前、言ってなかったね。あたしは若水千沙っていうの。気軽に名前で呼んでね。」
千沙さんは笑って自己紹介してくれた。
「ありがとうございました。」
「うん、また来てね♪」
俺達はお礼を言って外に出た。千沙さんは手を振って見送ってくれた。

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