「(なになに?)」
京都が読んでいくと、事件は昨日の夜に起こり、4人が遺体となって発見された。犯人は三河地区の女子高校生だという。ニュース内容を見た京都はますます興味を持ったので、ワンセグを起動して実際のニュースを見ることにした。
しかし、このニュースが京都の退屈な日常を砂塵の如く崩すきっかけとなる。その例のニュースを報道しているチャンネルを見たとき丁度警察の発表のときだった。その記者会見を見た京都は呼吸するのも忘れてしまうほど驚いた。
『昨夜四人を殺害した容疑者として知立高校の青山雪野を全国指名手配する』
「(は?)」
京都はその言葉を聞いてすぐに後ろを向いてしまった。当人の雪野は何もなかったかのように真面目に黒板に書いてあることをノートに書き写していた。京都が振り向いたので長良は「なに?」と聞くが、京都は無視して再度携帯を見た。携帯を見るとそこには雪野の写真がばっちり載っていたのだ。それを見た瞬間に京都の耳に………
「あっサイレンだ。めずらし〜何かあったのかな?」
隣の女子の囁きが聞こえ、心臓が握り締められそうになった。京都自身の耳にもサイレンが聞こえた瞬間、自分でも驚く行動に出てしまった。
ガタンと、音を立てて席を立った京都にクラス中の視線が集まった。
「どうかしたかね?鏡?」
先生が京都に話しかけるが、今の京都の耳には何も聞こえてこなかった。
「青山さん!」
京都は携帯をポケットに入れなおして雪野の手を握り、教室から出て行った。残されたクラスメイトはただポカーンと二人の背中を見るだけであった。
第1話 女子高生全国指名手配
第二話へ続く