遠い遠い君へ

くろ  2006-08-14投稿
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誰だろ・・・?まさか?
ううん!!違う!!晃輝先輩に限ってそんな!!
きっと私の電話番号を聞いたのは、
Cメールをするためだよ。

取らぬ狸の皮算用。

とっさにその言葉が浮かぶ。

「は、はい・・・。黒田ですが。」

「おう!俺!!赤井だよ!!」

「えぇ!?」

あ〜。無駄な解釈をした。

「驚いた?ってか、大事な話だと思ったからさ、
 電話のほうが良いかなあとか思って。」

「でも、話すと長くなりますよ?
 先輩、電話代は大丈夫なんですか?」

「大丈夫!!俺は全然。
 紅璃ちゃんに時間があるなら!」

「私はもちろん大丈夫です。」

「じゃあ、話してくれる?」

「私、佳奈先輩に酷いことをされました。」

「え!?」

あのときの恐怖が再び襲い掛かる。
涙が出そうになるが、堪えた。
先輩の前では泣きたくない。

「それで・・・。
 まだやっぱり、晃輝先輩のこと好きみたいで・・・。」

「うん・・・。」

「私、殺されるかと思いました。
 水溜りの中に顔を突っ込まれて・・・。」

「そうなの?大丈夫なのか?本当に。」

晃輝先輩の心配そうな声を聞いたら、
とたんに涙が溢れてくる。
泣かないって決めたのに・・・。

「グスッ。大丈夫です・・・。」

「え・・・?泣いてる?」

「いえ・・・。グスッ。大丈夫です・・・。」

「やっぱ泣いてるじゃん。
 ゴメンな、俺のせいで・・・。」

「いえ・・・私が悪いんです・・・。」
どんどん涙が溢れてくる。

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