遠い遠い君へ

くろ  2006-08-14投稿
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「いや、紅璃ちゃんのせいじゃないよ。
 俺が全部悪いんだ。
 あんな曖昧な別れ方したから・・・。」

「グスッ。いえ・・・。グスッ。」

「俺、守る。」

「え・・・?」

「佳奈の影が消えるまで、俺が紅璃ちゃんを守る。」

「でも・・・先輩には部活が・・・。」

正直嬉しい。
でも、恋愛感情からの守るではないだろう。
最初から期待なんてしない。

「可愛い後輩が・・・大切な後輩が困って
 恐怖に怯えてるのに、何もしないわけないだろ。
 家が遠いけど、いつでも電話して。
 佳奈のことじゃなくても良い。
 部活で辛いことがあったんなら、
 いつでも電話してよ。」

「はい・・・ありがとうございまづ・・・。」

「大丈夫?ちょっとおさまった?」

「はい・・・。
 あ、カーディガンどうしますか?」

「カーディガン・・・?
 あぁ!!あれね。
 うーん・・・。どうしようか・・・。」

「じゃあ、今度部活見学に行きたいんですけど、
そのときでいいですか?」

「おお!!来るの?
 俺マジ頑張っちゃうよ?
 まあ、そのときでいいや。」

「はい、じゃあ、そのときで・・・。」

「うん。じゃあ、そろそろ・・・・。」

「さようなら。」

「ばいばーい。」

ぷち。

電話が切れる。
今まで視界はキラキラしてたのに、
ふと、今までの自分の部屋に戻ってしまった。

はあ・・・。

また存在が遠くなってしまった気がした。
晃輝先輩に近づけば近づくほど、また存在が遠くなってしまう。
自分でも本当に意味がわからない。

先輩のカーディガンは、先輩の香りがした。



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