知ってるよ。??

やまだ  2006-08-14投稿
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知ってるよ。

君の笑顔が一番眩しい時。

でも、あなた知らないでしょ。
あたしの笑顔が一番眩しい時。


――…??…――




『泉先輩ってほんとに知らないの?』

のりちゃんは不機嫌そうにポカリを飲む。

『多分…知らないよ。』
『あたしが恋敵にそんなこと言われたら、思いっきりぶん殴りたくなるけどね。』
『のりちゃん怖いってば…』


朝の出来事をのりちゃんに話したら、"よく怒らなかったね"って言われた。

確かに悔しさは感じたけど、怒りは無かった。


今のあたしじゃ泉先輩に敵わないってことわかってれば
何を言われても怒る気力なんか出てきやしない。

それよりも今は、すこしでも鈴木くんにあたしのこと見てもらいたい。

なんでもいいから、気にかけて欲しい。


『あたし頑張るね。』


なんとなく言ったつもりだったのに、のりちゃんはすこしびっくりした顔をしてる。


『どしたの?』
『いや…鈴木くんに関する話しするとさ、眩しいくらい笑顔になるね。』
『…そう?あたしいっつも泣いてる気がする。』


のりちゃんは笑って、泣いてる亜美も可愛いけど。と言った。


今日は1日中、明日の朝鈴木くんと何を話すか考えることで頭がいっぱいだった。


野球の事はそんなに詳しくないけど、きっとあたしと鈴木くんに一個くらい共通点あるよね!
今日のあたしは信じられないくらい前向きだ。


のりちゃんに言われた言葉が、あたしを笑顔にしてくれる。


鈴木くんの話ししてると笑顔が眩しい…か…

『えへへ。』

HR中ににやけたら、ゆうたから"きもいぞ"と書かれたメモが回ってきた。

ほっとけ!



放課後、明日朝練があるのか鈴木くんに聴きに行こうと一大決心をし、隣の教室に行くと、鈴木くんと泉先輩がいた。


『…あ…。』


鈴木くんが笑って話してる。
楽しそうで 嬉しそうで 幸せそうで

『眩しい……。』


言ってから、気が付いた。

『…鈴木くんも、あたしと一緒だ。』


ねぇ。

みつけたよ。
あなたとあたしの共通点。


みつけたのに。

切なくて どうしようもない。



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