私は目を開けた。
「こ…ここは一体……」見渡すと部屋がとても綺麗だ。
「気がついた?」急に後ろから声がした。
「あなたは蓮君!?なんでこんな事するの?あなたも仲間じゃない私達の」
「仲間?何をふざけたことを言ってるの、追い出したのはそっちの方じゃないか!」
「だからあの事は翔太君も凄く後悔してるよ。」
「今頃遅い!!」蓮君は叫んだ。
「遅くないよ!まだ間に合う。」
「僕は魔王様に仕えると決めたんだ。邪魔するな!!」口調が冷酷になり私を睨んだ。
「でも、あなたは優しい。勇敢。私がこの世界に来たばかりの時、魔物にやられそうになった時助けてくれた。」
「そ、それは君が好…」蓮君が言いかけたその時。
「ビクターよ。その小娘を早く連れてこい。」
「かしこまりました」
蓮君は私に手招きした。でも、怖くて行きたくなかった。その先の恐怖が嫌で。
『助けて、翔太君!』