UNDER SOUL〜第0話〜
『人の心は酷く汚いの』
彼女は、吐き捨てるようにそう言った。
青く尖った唇で。
その冷めた顔つきが脳裏に焼き付いて離れない。
…とてもじゃないが今夜は眠れそうになかった。
彼女の、その言葉はきっと限りなく真実に近いのだろう。
彼女の存在は恐ろしい。
そして何より『危険』な存在だと思った。
全然馬鹿で社会のしくみもよくわからない二流高校に通う『俺』ですら、そう感じたのだから、相当のもんだ。
つまり、
話をまとめると、
今日、
人の思考、心境、何もかも…聞こえてしまうという『彼女』に…
出会ったのだ。
信じられない。
人じゃねぇ。
エイリアンか。違うか。
『だってわたしの中にはね──が、いるの。』
いや、なんでもいい。
あんなのは聞かなかったことにする。
いっそ夢なら覚めてくれ。
そんなことを願ってたが、
出会ってしまったのだ。
結局一睡もできないまま夜は明けた。
さてこれから話すことは、
24時間前に遡る。
全て嘘みたいな話だが、俺が体験した事実。
ただしこれからどうなるかは、
自分ですら、わからない。