世界でひとつだけの物語。?

麻呂  2010-01-01投稿
閲覧数[476] 良い投票[0] 悪い投票[0]


コンコンッ‥と部屋をノックする音。



『フロントにね、一時預かって欲しいと、頼んでおいたんだよ。』



彼は私に優しく微笑み、そっとドアを開けた。



彼がフロントの人から受け取った物は、


綺麗にラッピングされた、少し大きめの箱と、



両手いっぱいの花束だった。



『桃子。メリークリスマス!!

はい。僕からのプレゼントだよ。』



『ありがとう。嬉しい!!』



大きな花束。



その花束は、



ピンクのガーベラに、



かすみ草が添えてある、



とてもシンプルな花束だった。



『クリスマスと言えば、ポインセチアだけど、

桃子には、ガーベラの花を贈りたかった。

僕の好きな花なんだ。

色は“桃子”にちなんで全てピンク。』


両手いっぱいのガーベラの花。



私が大好きなガーベラの花。



彼は、どうして私の好きな花が分かったのだろう。



『私も好きだよ。ガーベラの花。』



一輪でも凛としていて、



力強く咲いている、その姿が。



『本当!?よかった!!

桃子。ピンクのガーベラの花言葉を知ってる!?』



『花言葉?』



『“熱愛”って言うんだよ。

まるで、僕と桃子の事みたいだね。』



『うん。』





そんなキザな言葉さえも、



彼は、サラッと言ってくれる。



けれど、私は嬉しい。



だって、



彼と会っている時は、



彼は、私だけの彼氏でいてくれるのだから。





『ジャ〜ン♪プレゼント二つ目。

花束は、そこへ置いといて。

今度は、こっちを開けてみて。』



プレゼントしてくれた彼の方が嬉しそう。



二つ目のプレゼントの、



ラッピングをほどいた。



『‥‥こ‥これは‥‥‥。』



それは、



淡い“ピンク色の杖”だった。



『桃子の為に、特別に作ってもらったんだ。

可愛いでしょ!?

もちろんこれは“外出用”に使ってね。』



『ありがとう。

可愛い♪

私‥これからは、家に引きこもってばかりいられないね。』


『うん。そうだよ。
少しずつ、ゆっくりでいいんだからね。』



明日になれば、



元の私に戻るんだ――



今までの私に――

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ