静かに冷えた森の前で、
青年が固い言葉で決意を口にしていた。
「さぁ、いくぞ」
しかしその中で、少女だけが憂いを込めて意を唱えた。
「もう、いい。私ならもういい。だから、こんな事やめようリュート」
「なにも心配する事はないサヤ。俺たちがいる、お前を連れていく」
決意の言葉は、暗い森の中に向けられた。
「なぁリュート。”神の棲む家”のあるインバ山まで歩いて3日あるんでしょ。往復で1週間として、それまでサヤを屋敷から連れて出す理由ってあるのかよ」
心配性のオヨがその肩を止めた。
「そんな事は後で考えればいい。今はサヤを連れていく事が大事だ。」
三人はついに森の中へと足を踏み入れた。
そこは、この世界で最も入ってはいけない言われる
ダーク・フォレスト。