数分後、落ち着いた雪野は顔中傷だらけの京都に……
「何で、私が追われてる事を知ってたの？あなた何者？」
雪野は京都と距離を少しおいて話しかけた。臭いが気になるからだ。だが、京都はそんな乙女心を知らずに内心「（そんなに距離を置かないでよ）」と嘆いていた。が、自分に非があるのでそこにはツッコミを入れずに、先ほど見た事を話すことにした
「僕のほうが知りたいぐらいだよ」
「えっ？」
雪野が驚くのを見て京都は自分の携帯電話を開いてワンセグを起動させる。そして、雪野のことを報道している番組を探した。雪野は「携帯？」と疑問に思ったがすぐに解消された
「なぜ成績優秀容姿端麗スポーツ万能の超優等生、青山さんが全国指名手配になっているのかってことをね」
京都は、携帯の画面を雪野に見せた
「なっなに！？このニュース」
雪野はようやく自分が指名手配になっていることを知り両手で顔を押さえていた。先ほど以上にうろたえて涙を流して腰を落としていた。その様子を見た京都は心にある事を思った。
「やはり、青山さんが芝居をやっているようには思えない」
京都は、そうは思ったが、本人に直接聞かなければと思い
「これを見せて青山さんに聞きたいんだけど、これは明らかに青山さんのことを話している。青山さんは昨日人を殺したのかい？」
京都は雪野のことを見た。瞳を一切動かさずに。京都の真剣なまなざしと質問に雪野は…
「私は…ひっ人を殺していない！」
雪野は涙を必死に拭きながら断言した。その言葉を聞いた京都は、証拠はないが雪野が人を殺していないことを確信した。嘘は人の目を見ればわかると誰かは言ったがこのような事を言うのだろう。京都が安心すると
「わっ私はいったいこれからどうすればいっいいの？」
いつものリーダーシップの取れている青山雪野の姿はなくライオンの檻に入れられた草食動物みたいにビクビクし、うろたえてどっちに進めばいいのか分からないのかあふれる涙を必死に拭いている。京都はその雪野の姿を見るのに耐えれなく肩にそっと手を添えた
「大丈夫。こういう事に詳しい奴のところに案内してあげるよ」
京都はニカっと笑い雪野の手を握ってある場所へ案内した
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