授業は上の空。
机に顔を突っ伏した。
「陽菜ちゃ〜ん!!?」
授業担当の先生が私の名前を大きな声で呼んだ。
みんなが私の方を見る。
私ははじかれたように顔わあげ、姿勢を正した。
‘先生が生徒の名前を大きな声で呼ぶ’という行為は生徒の態度を注意する一種の方法だ。
そんな事は誰もが知っているから、注意された私にクラスの友達達が口パクで「馬鹿」とか「アホ」など、言ってきた。
私は、笑いながら友達達に返事した。
私の名前は、
山田陽菜。
私立のS中学に通う2年生だ。
学校生活には、多少のトラブルなどがつきものだけれど友達にも恵まれ楽しく過ごしていた。
苦痛だった授業は終わり、帰りのホームルームをし、私は解放された。
私は教室を一番に飛び出しその勢いで、駅まで走って行った。