私は 間をもたせようと
果物ナイフ を にぎり フルーツをむき始めた。
「 林檎 で いい?」 楓にそう聞くと 楓は
笑って「俺、 林檎 だーっいすき」
はっとした。 楓は 林檎が 嫌いだったはず…………。 私の ために 嘘を………….
「 ごめん! 林檎 嫌いだったよね」
楓は 困った顔をして
「 ばれちゃった?」
ニコッと微笑む。 なんて 綺麗な 顔 なのだろう。
「 オレンジに するね。」
「 ありがとう」
私は オレンジを むきながら 彼の 顔を見て 「彼女 いるの?」 と 尋ねた。
楓は 慌てた顔を して
「 いねー。 したい人なら いるけど。」
私は 目を 見開いた。
好きな人 いたんだ…………。
ヤキモチを やいてしまった私。
私…………楓が 好きなの?
「どうした? 凛」
「え…………いや なんでもないッ!」
私は 頬を 赤くそめた。
「どした? 熱でもあんのか?」
楓は オデコを おしつけて きた。
唇と唇が くっつきそうな 距離。
「 ちょ…………楓っ!」
いきなり 後ろから すごい風。
私は バランスを 崩し 楓のほうへ
ぐらついた。 その時
楓の唇と 凛の 唇が くっついて しまった。