「愛美!高峰さんと知り合いなの?!」
「のはずなんだけどなあ…」
朝礼が終わった後、香菜と2人で客席のテーブルの周りを掃除していく。
高峰さんに思いっきし初めて会った人への対処をされた。
なんでだろう…。
スタッフルームにふと目を向けると扉が少し開いていて中に高峰さんがいた。
「ちょっとあたし行って来る!」
「ちょ、愛美?!」
あたしは香菜を置いてスタッフルームに行き、扉を開ける。
高峰さんが自分のものを整理していた。
あたしが入ってきた事に気付いて一度こっちを見たけど、またすぐ作業に戻る。
「あの、高峰さん…」
「はい?」
こっちを見てくれた。
でもその目はなぜか深い、冷たい人を寄せ付けない碧色をしていた。
――イメージカラーは爽やかな青だなあ
あたしが初めて会った日とは全く違った。
「なんで、さっき…」
「別に関係ないんで」
「え?」
「ここで働く上で前にたまたま会ったこととか関係ないでしょ」
「そうだけど、でも…っ」
「いらないんですよ、仲間とか」
そう言い放って高峰さんはスタッフルームを出ていってしまった…。