叩かれた頬

兼古 朝知  2010-01-06投稿
閲覧数[455] 良い投票[0] 悪い投票[0]


じんと熱をもっている。
叩かれて随分立つのに
いまだに痛い。

嘘をついたら
叩かれた。

何故だろう。
特に悪いことを
隠したワケじゃないのに。
ただ つまらない嘘を
ついただけなのに。
何故あんなに
怒ったんだろう。

しばらくすると
私のもとに
母がやって来て
ぶすくれた
私の表情を見た後で
頬をさすってこう言った。


ごめんね。痛かったね。
母さんはね
あなたのしたことに
怒ったんじゃない。
嘘をついたから怒ったの。あなたには
嘘つきな人に
なって貰いたくないの。


過去 母に何があったか
知らないけど
誰にどう裏切られたか
知らないけど
一切詮索する気はない。

私は 母の目を
しっかり見て頷いた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 兼古 朝知 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ