岡崎と夜の街を歩き出す
大晦日なので
田舎の街並みも
出店等で華やいでいる
皆…今頃家で一家団欒で「レコード大賞」でも見てるのかなあ…
と思いながら二人は夜の街をさ迷い始めた
岡崎と缶ビールを片手に盛り場を歩く内に
岡崎も緊張が解けたのか
軽口も叩き始めた
「せっかくデビューするチャンスだったのにさぁ同級生がいるとは思わなかったよ」
「アンタ(僕)常連みたいね」
小学生にして
高校生の団体戦の常連という正体がバレてバツは悪かった
コトにおいては
常識はずれの小学生だったが
なんとなし同級生とは
したらアカンなぁ
という倫理観らしきものはもっていた
なんとなし
岡崎を団体戦会場から連れ出したが
どこにいくか
少し途方にくれた
今のように携帯があるわけではないので
同級生のその日の予定など聞きようがない
考えあぐね僕は
学校に行くことを提案した
実は僕は夜の学校に勝手に忍び込む常習犯だった
二人は
校門をよじ登り
僕の手引きで校舎の中に潜入した
僕は経験上
保健室の電気をつけても外から見えないのはしっていたので
岡崎を手引きし
ます保健室に落ち着いた
保健室に岡崎を座らし
ストーブとテレビをつけて
「今から酒屋で酒を盗んでくるわ」と言い残して
僕は酒屋へと向かった
酒屋での盗みは
いつも大胆だ
酒屋は同級生の息子がいるので
酒を盗むのは簡単
酒屋の息子と僕は背格好が似てるので
いつも堂々と
酒屋の息子のフリをして酒を運び出していた…