「なっなんでしょう?」と、冷や汗をたっぷりとかきながら答えを返すと
「あなたが、いつも遅刻している理由がわかりました。私がどれだけ完璧なクラスにしようとしているのか分かっているのですか!」
と、怒り狂って京都の肩を掴み振り回す。彼女はソフトボール部のキャプテンだ。女子だからと言って甘く見てはいけない、彼女の腕力はすごいものであった。あと1分振り回されれば気を失ってしまいそうだ。その光景を見ていた優はそのやり取りをまじまじと見ていたが、雪野の顔をはっきりと見た瞬間
「なっ何をやっているんだ!京都!」
二人の喧嘩を遮って優は京都の顔を自分の方向に向けた。すごい声で叫んだが瞬間的に状況を理解したのか家の中に二人を入れた。
「いったい何がどうなっているのか?」
優の部屋は二LDKで学生にしては少し広い部屋に住んでいる。その中のリビングで京都と優の二人は机で向き合ったまま話していた。優が京都に向かって言う感じは警察さながらの迫力であった。
「実は、俺もまだ状況を理解できていないんだよな」
京都は警察並の迫力にもたじろぎをせずにヘラヘラと笑いながら机の上にあったせんべいをバリっと一枚食べる。
「ふざけるなよ!なんで指名手配犯と一緒にいるんだ!?」
優は机をバンと思いっきり叩く。叩いたせいで机の上にあったせんべいが四枚ほど落ちた。落ちたせんべいを丁寧に拾ってさらに戻す京都。しかし、何故か怒っていた。最後のせんべいはばきっと怒りのままに割ってしまった。
「いくら優でも、もう一度彼女をその呼び方で呼ぶと許さないぞ!!」
二人の間に亀裂が走った!!