たった一つ…。
どうしても理解ができなかった…。
カレは何故私が好きなのか…。
いつものように、外でカレを待つ。
バレないように、一駅向こうの場所で…。
カレはいつも5分遅れて着く。
カレは笑いながら頭を撫でて歩き出す。
毎日は無理だから、週に1回こうして帰る。
手を繋ぎたくても、どこと無く遠慮をした。
あくまでも
『上司』
あくまでも
『部下』
私の中で壁を作っていた。
そんな関係も、2ヶ月続いたある日…。
カレに
「キスをして…。」
と言ってみた。
私はもう…
カレにはまってしまっていた。
キスぐらい…
してくれないと不安になる…。
そう思い、キスをねだった。
カレはすんなり軽くしてくれた。
「それだけ…?」
私は涙目になりながら、カレの瞳を見つめた。
「これ以上は…。イヤだろ?」
カレはそう答え、歩き出した。
「イヤじゃない!!私………、あなたじゃなきゃ………。」
私は今にも泣きそうだった。
カレは慌てて私を道のハジヘ連れて行く。
「君を抱くコトはできない。ごめん。」
そう言ってカレはまた歩き出した。
私には理解ができなかった。
好きなハズなのに…
抱くコトは出来ない…。
カレの思考回路が訳わからない…。
私は走ってカレを追い掛けた。
「なんなのよっ!!じゃあ、あなたの好きってなんなの?!理解できないっ!!」
私は泣いていた。
自然と涙が流れ落ちる。
「こんなオヤジに抱かれるのはイヤだろ?後悔するぞ…。」
「後悔するかどうかなんて………私が決める事でしょっ?!あなたに…私は………。」
私は何を言ってるのかわからなくなった。
こんなこと…
ただ迷惑になるだけなのに…。
あなたはただ…
『好き』なだけなの…?