誰ひとりとして、
自分の存在を否定する子供たちは、もう、
その施設にはいなかった。
自分にしか出来ないことがある。
すでに見つけた子供たちもいれば、
まだ見つけていないことに、むしろこれからやってくることに、
更なる期待を膨らませる、
そんなワクワクとした息がそこに溢れていた。
「生きていてよかったな、て最近つくづく思いますよ。
これだけ毎日、子供たちの変化を見ていくことができて。
たった一人でもいい、誰か僕のような子供の変化を見たい。
そう思っていましたが、今は一人なんてとんでもない、
すべての子供の変化を、見たいくらいです。」
嬉々とした大資の横顔からは、
もはや、初めの時の言葉は影もなくなっていた。
「本人が大きく変わっているということに、
このお兄さんは気付いているのかな。」
そう言って笑う塚本の心もまた一つ、
ほっとした、大きな安堵に満ちていた。
『神様は、全てのことを働かせて、益としてくださる。』
最後に大資に手渡したポストカードには、
そう書いてあった。
※今まで読んで下さり、
ありがとうございました。また次回作も、出てくること、お楽しみにお待ちください♪