零の表情はすぐに元に戻った。
「普通に考えるとこれはまずい状況ですね」
零は余裕の笑みを浮かべている。
「何かいい策でも?」
隼人が尋ねると零は首を縦に振った。
「もちろんです。もしかすると犯人を捕まえることができるかもしれないです。」
婦人が尋ねた
「でも、どうやって?」
「説明します。まずは・・」
零は作戦を語りはじめた
−−−−−−−−−−−
ここはとあるホテル。
零と隼人は婦人の夫、
つまり今回のターゲットが泊まるはずだった
部屋にいた。
彼は今頃、自分の家に居ることだろう。
婦人に頼んで呼び戻してもらったからだ。
「隼人さん位置についてください。」
「わっかりました。」
そういって隼人は、
ベットの中に潜った。
そして、零はドアの横の壁に張り付く。
零の位置は、ドアを開けるとちょうど影になる
位置だった。
「犯人は必ずここにきますそしたら・・」
「そしたら俺を襲おうとする犯人を後ろから拘束する、でしたっけ?」
「そうです。これからコミュニケーションは一切なしです。いいですね?」
隼人は布団から手をだして振った。
オーケーのサインだ。
零はそれを確認すると
部屋の明かりを消した。