その頃雪野というと
「あぁ〜幸せぇ〜」
と、いつの間にか湯船を張って湯船につかっていた。いつの間に沸かしたのだろうか?しかも湯が着色されている。洗面所を除くと温泉の素の袋が捨てられていた。いいのか?勝手に人のものを使って……学校では成績優秀容姿端麗スポーツ万能の看板を掲げている華連な女の子が……本性はこっちかも知れない。雪野は、風呂場を後にしてバスタオルで体を拭く。体を拭き終えるとあることに気づいたのかバスルームのドアに近づく。
「(もしかして覗いているとか……ありえる)」
雪野は自分の魅力的なボディを見て京都達のいやらしい顔を頭に浮かべる。一応お約束的なものを考えていたがドアを少し開けるがどうやら二人ともリビングにいるようだ。
安堵するのかと思えば……
「(な〜によ!こんな可愛らしい女の子が裸でいるのに!!見ようともしないの!?)」
と、なんとも天の邪鬼なことを勝手に思っていた。どうやら彼女は自分が指名手配犯ということを忘れているみたいである。意外と勝手気ままみたいである。まぁ勝手に怒ったところでしょうがないので彼女は優が言っていた通り、箱には女性用の服が一式あった。顔も見たこともない人の服を借りるのは忍びないのだがそうも言ってられない。雪野の服はすべて生ごみで駄目になっているのである。バスルームにあった服はパジャマだけだったのでそれを着るしかなかった。
服を着た後は髪を乾かすためドライヤーを使った。許可なく本当に何でも使うなぁと思うが彼女も一応女の子、たとえ髪を逆立てたりゴミバケツに入れられても女の子なのだ。髪の手入れは欠かせない。
髪を乾かすとリビングに向かった。一応お礼を言わないといけないし京都と一緒に今後について話さないといけない。そう思った雪野はバスルームから出てリビングに向かってドアを開けた瞬間
「このままではお前まで犯罪者のレッテルを貼られるぞ!!」
と、優の怒鳴った声が、雪野がリビングに入った瞬間に雪野の耳に入ってきた。
「えっ?」
あまりの発言に先ほどまでののほほん気分は吹き飛んで半ば呆然とする雪野であった