―忙しかった冬休みが終わった。
「大学受験まであと少し!これからが勝負だからな」
担任の話が耳の右から左に抜けていく。
―キーンコーンカーンコーン…
「愛美、買い物付き合ってー」
「良いよ」
あたし達は学校が終わってからショッピングモールに向かった。
そこに行くのは去年のクリスマスプレゼントを買いに来た以来だった。
「いらっしゃいませ」
中に入りお目当てのお店に向かう。
「あれ?」
ふと香菜が声をあげる。
「?」
香菜が見ている方を見る。
「?!」
「あれ高峰さんだよねぇ?」
高峰智が…女の人と歩いてる…?
「なぁんだ…やっぱり彼女持ちかあ」
なんであんなやつに彼女が…
やっぱり世の中分かんない…。
「でも、なんかおかしくない?」
確かに…
「なんかケンカしてるみたいだね」
「明日聞いてみよーっと」
「香菜…仲良くなるどころか嫌われるよ?」
あたしが呆れたように言うと香菜は開き直ったように「あたし彼女持ちの男興味ないし」と笑う。
全くこの子は…