丈「おい、おい、ハッキリ言うなよ。これでも、かなり落ち込んでいるんだから…」
望代「あっ、ゴメンゴメン!それで、どうするの?」
丈「力を貸してくれないか?」
望代「面白そうだから、いいわよ。でも…高いわよ!」
丈「お金をとるのか?」
望代「バカねぇ〜。お金なんていらないわ。私を誰だと思っているの?とりあえず、どこの温泉?」
丈「なんでも有名な温泉で馬鹿(うましか)温泉らしいんだけど知ってるか?」
望代「知ってるけど馬鹿温泉って、そんなに有名?」
丈「知ってるのか!?」
望代「知ってるわよ。ウチの経営している宿があるもの。宿は分かってるの?」
丈「あぁ。たしか…阿歩屋(あほや)旅館って言ってたなぁ。」
望代「あら、奇遇ね。ウチの傘下が経営している宿だわ。それじゃあ監視するように伝えておくわ。相手って、どんな人なの?」
丈「相手は相当の金持ちみたいなんだ。グランドピアノホテルのロイヤルスイートを利用するぐらいだからね。」
望代「ふぅーん。ウチのホテルのロイヤルスイートを利用してるのね。」
丈「おい、おい。あのホテルも君の所で経営してるのか!?」
望代「知らなかったの?相手の特徴は分かる?」
丈「あ、あぁ。真っ赤なスポーツカーに乗ってた。日本では、あんまり見掛けないスポーツカーだったよ。」
望代「分かった。調べるわ。すぐに分かりそうね。きっと、その男が真理さんを誑かしてるんだと思うから少し痛い目にあわしてあげなきゃね。」
つづく