浅井を好きになるのに時間はかからなかった「奈緒美さん実は締め切りが迫っていてしばらく会えなくなりそうなんです」
「えっ!長くかかるの?」「いや、そんなに長くはかからないと思います」
「それなら仕方ない、連絡待っているわ。それと私の事、奈緒美って呼んで良いわよ!あたしも聡って呼んでいい?」
「いいですよ、でも奈緒美なんて呼び捨ては緊張するな」照れながら言う聡に奈緒美は幸せを感じた。その時、聡の携帯が鳴りあわてた様子で外に出ていった!その時椅子に置いてあった原稿が落ちて飛び出してしまい奈緒美は拾った。
「あれ!これはもしかして書きかけの原稿では?」
(運命の螺旋)と書かれている原稿は小説らしかった。書き出しには(夜の世界に生きる女たちが運命に翻弄される…)もう少し読みたい気持ちを抑えて元にもどした。「そっか〜記者じゃなく作家志望かな」もしかしたら完成したら驚かせようとしてるのかしらとうれしくなった。
浅井が戻ってきた「ゴメンなさい!戻らないといけないので、そろそろいきます」「うん!頑張ってね聡」
奈緒美は不意に抱き寄せられ「好きです」とささやかれハスキーなその声にますます夢中になった。