アハハ…
血みどろの意識の中…私は小さな笑い声を挙げた。
手や足を動かせば何かが当たる、首を動かせばやけに痛い…。
もう、死ぬことは分かっているわ。
顔の肌はもげて、手や足は見事に切断され、首はもう体から取れかけているんだから。
最期にさぁ
ヒーリング魔法が使いたかった。
貴方を、なおしてあげたかった…。
だから私は修行に来たのよ、貴方をあの忌まわしい病気から救う為に…。
ねぇ、結局貴方と私は、同じ場所に行くのね?
セツナ!!
眩い光が私を包む。
とうとう天に召されるのだわ…
静かに目を瞑る。…と?やっぱり、最期に貴方を見たい!!
光の中から飛び出した私は、全身の傷が治っていた。
驚いた、当たり前だけど…。
でも私は、振り返らず彼の元へ…
ヒーリング!!
彼の意識は既に無く、帰らぬ人となっていた。
泣きながら唱えるヒーリング…
ね、私は何故、助かったの?
<貴女が、彼にとって一番死なせたく無い人だったからだよ。〉
何処からか聞こえた声…
<死ぬ間際、人はひとつだけ願いを叶える事が出来る。〉
そうだ、私は…
彼に会いたいと言ったんだ。
彼は私に…
ヒーリング…
やっと両想いになれたのに…
目を覚まして?