D‐GON ?

shin.ne  2010-01-16投稿
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時間と共に
その足に重くのしかかっていた。
恐怖と。
責任。


冷たい風が頬を通りすぎ、
黒い無数の葉と、枝が
まるで人の形の様に不気味に映る。


それは、幻覚なのか
遠く闇の方から話し声が聞こえてきた。

「おまえをころしてやる」

「そのからだをくってやる」


たまらずその足は止まってしまった。

「どうした?」

リュートは青い顔をしたオヨに言った。

「さっきから、声が聞こえる。俺たちを見ているんだ」

ただ事ではない様子に、リュートとサヤは互いの顔を見合った。
森は静寂に包まれながらも、時折どこからか風が吹き、葉が擦れ合って不気味な音が森に鳴り響く。
こんな所に1分も立ち止まっていたくはないのだ。

「見られてるって誰に?」リュートはオヨの肩に手を置き、その顔を覗きながら質問した。

「サンケ族だよ。もう縄張りに入ってるんだ。」


「まだ森に入って30分も経ってないぞ。境界線までは行ってない、気のせいだ。」
「気のせい?じゃあ、あれは?」

オヨの指差す方へ、リュートは顔を向けた。
その瞬間、闇に包まれていたはずの森が、一瞬にして辺り一面に光が満ちた。
そのまぶしさに直視できず、指のすき間からリュートは見たのだ。


「サンケ族…」

それは紛れもなく人の姿だった。



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