MUSIC 5話

L  2006-08-16投稿
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研磨する手を止めてカオリは話だした。
「う〜ん。なんて名前だったっけなぁ〜。たしかサキだった気がするんだけど。なに?ミッチその娘に惚れた?」冗談まじりにカオリが言う。それに対してミツオはとんでもないとでも言うように手を振った。「まさか!そんなんじゃねぇけどさ。なんか、気にナンナァって。てか、なんでお前そのサキちゃん?のことしってんの?」それを聞かれたカオリはつまらなそうな顔をしたが、直ぐに問いに答えた。
「その娘の組んでるバンドのベーシストがこの店のお得意様だからねぇ。色々はなしもきくのよ。」
カオリがそう言った直後に店のベルのチリンチリンという音が響いた。そして、見るからにバンドマンという風貌の髪をツンツンに立てた20位の男が入ってきた。カッコイイっていうのはこういう人の事なんだなとミツオは思った。背中にはベースを背負い、サングラスをしている。
「あら、テッチャン。今、ちょうどテッチャンの話をしてたんだよ。」
「ふ〜ん、どんな話。」そう言って、男は近付いてきた。
「まぁ、テッチャンていうかAprilFoolsのヴォーカルさんの話。」どうやら、彼らのバンドはAprilFoolsというらしい。
男はふ〜んといった顔をした。
「サキの?なんかあったの?」
それを聞いたカオリはミツオを指差しながら言った。
「この子、ミツオって言うんだけどサキちゃんがすきなんだって。」
笑いながらカオリが言う。それを聞いた男も笑いながら言う。
「あいつを好きになったんか。そりゃ大変だ。苦労するぞ。少年。
あ、俺はテツロウってんだ。テツって呼んでくれ。」
いちれんの流れをきいていたミツオはもう、弁解する気もないといった感じであった。
「ヨロシクお願いします。テツさん。」
そう言って手を差し出す。それを両手で握りながらテツロウは言った。
「まぁ、頑張れよ。少年!俺に手伝える事があったら何でも言ってくれ!」
ミツオは熱い人だなと思った。
「ところでテッチャン。今日は何のよう?」カオリが言う。
テツロウは思い出したように背負っていたベースをカウンターに出していった。
「コイツを引き取って欲しいんだ。引き取ってくれるならお金はいらねぇから。」
ベースをカバーから取り出して一通り見てからカオリが言う。
「普通のベースだけど。なにか曰くつき?」それを聞いたテツロウは頷きながらゆっくり話だした。
〜続く〜

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