子どもは、家を選べない〜その18〜

真理康子  2010-01-17投稿
閲覧数[653] 良い投票[0] 悪い投票[0]

結衣子は、それとなく、翔の気持ちを察していた。
起きて階下に降りれば、食事の支度が出来ていて、家があり、そこそこの暮らしが出来ていれば、外であくせく働かなくても良いじゃあないかと思う若者が増えていることは知っていた。と、いうか、それではいけない、若者よ、汗を流して働こうと呼び掛ける側のカウンセリングをしてきた。随分、成果もあった。まさかの、息子の有り様に、やるせなさのなかにいた。
自分に助けを求めて下さった保護者の気持ちが解る気がしていた。翔の場合が明らかに病的なケースではなく、世の中との抗いからかけ離れているだけだという事実が重かった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 真理康子 」さんの小説

もっと見る

公募投稿作品の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ