朝、ホテルを後にするブルと幸のバイクは大分の湯布院を目指す
涼しい一夜はどうやら二人の体力を回復させたらしい…二日酔いではあるのだが
ノコノコ走り、夕方頃だろうか?湯布院に着き温泉へ入り、その残り香も消えないうちにフェリー乗り場へ着いた
ブル、「俺の方が先に出発だな」
幸、「じゃあ、見送るよ」
ブル、「いいよ。苦手だしな」
幸、「って言っても見送るけどね」
ブル、「…」
幸、「本当に遊びに行くからね。東京…案内してね」
ブル、「そんで朝まで愚痴大会?」
幸、「当然!!」
ブル、「ハハッ!仕方ねえなぁ、そん時ゃ聞いてやんよ。ん?そろそろか、じゃあ元気でな」とバイクのエンジンをかけると
幸、「うん、あっ、私…本当は幸子って言うの。じゃあ、またね」と、寂しそうな笑みを浮かべる
ブル、「そうか、じゃあ、またな」
ブルは走り始めると振り返らずに左手を振って船の中へ入って行く
バイクを固定するのを確認すると、ブルは階段を駆け上り、幸の姿を探した
幸はブルの姿を見つけ、ブルも幸に気がつくと、幸は大きく手を振り、ブルも手を振り返した
ブル、「旅は道連れ…かぁ…」
船が動き出し、ブルと幸はお互いの姿が消える迄、手を振るのだった