「高峰さーん」
「…」
「おーい」
「…」
「高峰さんてばー!」
あたしは次の日からある意味の猛アタックをしている。
「高峰、そろそろ入ってくれ」
「はい」
店長に呼ばれて高峰智はお店に戻ってしまった。
「相変わらず撃沈していますねぇ」
スタッフルームに香菜が入ってきた。
「なんであんな事言っちゃったんだろ…」
あたしはため息混じりに弱音を吐く。
「もー、昨日の威勢はどうした!」
「だって…」
よくよく考えてみたけど、あの人間を本当に変えることが出来るのだろうか。
「愛美がそんなんだと変えられるものも変わんないよ?」
「…うん、そうだね」
あたしが頷くと香菜は笑顔になってポッキーをくわえはじめた。
「あ、そだ」
「?」
「お祭りのことなんだけど―…」