聖「並べた椅子は…とりあえず30…」
拓「で、来たのが…6人」
並べられた椅子には前の方にぱらぱらと朝会ったおじいちゃんやエプロン姿のおばさんらが座り、あとは走り回る小学生がいた。
美「まあ…こんなんもたまにはええんちゃう?」
琢「早速やけど、やるか。お前ら見とけよ」
翼「ふんっ」
琢磨達、“フェザー”が準備を始めた。
琢「えー早速ですが、俺らのから聞いてください」
琢磨が振り返るとちひろがにやっと笑いスティックを高くあげた。
拓「あの女…どう歌うんや…」
シャンシャンシャンシャン
ちひろのハイハットで音が始まる。
その瞬間、あのボロい体育館の空気は一気に変わった。
そして、あのボーカル、舞がマイクに手を触れた――
翼「英語!?」
美「さすがやなあ〜」
波「あの子の声…めっちゃ綺麗」
猛「…なのに、何やろ…力強い」
聖「…(…差がありすぎる)」
先ほどまで走り回っていた小学生も立ち止まって“フェザー”を見つめた。
そんな中、拓朗は一瞬、舞が自分に目を合わせたように感じた
拓「…あいつ、今俺を挑発した!」
猛「へ?」
拓「“あんたにはこんな歌、歌えないやろ”って…」