次の日桜と美由紀さんは、一年ぶりに我が家にやってきた。
「桜ちゃん、早く元気になって遊び来てね?」
そう話す母の言葉に、
「はい、元気になったらすぐに来ます」
笑顔で答える桜。
「桜ちゃん、久し振りじゃな?」
後ろの方からじぃちゃんが来ていた。
じぃちゃんは一年前から、少しずつではあるが体を壊すようになっていた。
「おじいちゃん、大丈夫?顔色悪いよ」
心配する桜に、
「なぁに、これくらい桜ちゃんに比べれば屁じゃよ」
元気だと言わんばかりの仕草を取る。
すぐに桜は、
「本当におじいちゃん、大丈夫なの?」
私に聞くが、
「本人も言った通り、桜は心配しなくていいって」
彼女の頭をポンポンとたたいていた。
だが、じぃちゃんの命は残り僅かとなっているなど、私には知る由もなかった。
その夜だった。
じぃちゃんが倒れて病院に運ばれたのは。