永久に§6§

夏姫  2010-01-25投稿
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日曜日。
サイの家は、最寄りの駅から30分歩いたところにある。
本当は車で迎えに来て欲しかったけど、自分から行くと言い出した手前、そう頼むのも気が引けた。
それに、あの馬鹿はまだ寝てるかもしれない。
メールや電話して機嫌を悪くさせる気は無かった。

「……やっと着いた〜。…でも、どうしよう?チャイムないし…。取りあえず、ノックしてみるか。」

一人ドアの前でぶつぶつ呟く私。
ノックを三回し、ドアを開けてみた。

「な〜んだ。起きてたんだ。」

目の前には下半身下着姿の、私の愛しの彼。

「30分前に起きたのや〜。まさかノックだけで起きるわけねぇべ。」

…しかも、私が想像してた以上に普通だった。
部屋は相変わらず半分散らかってて、隣の部屋には布団が敷いてある。
近々家を出ると言っていたわりには、正直に言って汚い。

「あ〜、寒いっ。」

そう言ってコタツの中に入りこむ。
そりゃ、下があんな状態なら寒いに決まっている。
もちろん、心の中だけのツッコミ。

「しかも、これ見てたのかよ。」

「これって何や。」

私の視界に入るテレビ画面。
DVDだろう。
映っているのは、…大分前のドラマだ。

「これ、何回見ても飽きねぇのや。コイツで4回目だ。」

「見すぎでしょ。」

呆れてものも言えない。

「ハルが見たいって言ってたDVDも借りて来たんだ。」

「別にいいのに。」

足元に置かれている、半透明のケース。
中に入ってるタイトルを見る。
…ホラーだ。

「よしっ。コイツも見終わったし、こっち見てみるか。」

もちろん、サイは前に一回見たことがある。

「一人にしないでね…?」

「大丈夫や。」

…その笑顔は信じられません。

「前と後ろ、どっちがいい?」

寒いので、私はコタツに入る事にした。
前に寝っ転がると、テレビが思いっきり見えちゃう。
ならば…。

「後ろがいい。」

チッという舌打ちが聞こえたのは、気のせいであろうか。


…一本目が終わったが、私が怖がって前にいるサイにしがみつき、テレビを見ようとしなかったのは言うまでもない。



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