決断を下した時
思い出されるのは綺麗だった愛
笑い合えた事が幸せで
想い合えた事が全てだった
私に刻まれた貴方の愛が私の想いを深くし
いつの間にか薄れて行く貴方の愛が
私の想いを裏切った
簡単には消せない無数の傷
貴方はいつでも笑っていた
貴方を許さない
それが最後の私の愛し方
最後くらい大人の振りして笑顔を見せたかった
『終わりにしよう』と告げたのは私
『どうして』と動揺した貴方がまた愛おしかった
きっと貴方が首を振っていたら私は崩されていた
『もう一緒にはいられない』と強がったけれど
本当は貴方と一緒にいたかった
少し戸惑いながらも貴方は無言で頷いた
最後くらい文句でも言ってみたかったのに
貴方があまりにも簡単に終わりを受け入れるから
私は何も言えなくなった
私から振ったのに
何でこんなにも胸が苦しくなるのだろう
切り出したのは私からなのに何故か私が振られたような気分になって悲しかった
貴方はずるい
こんな時でも優しく笑う
『ごめんね』
その言葉が胸に突き刺さる
何だか悔しくて惨めで
改めて自分の存在が何であったのか分からなくなった
もう話す事はない
今何かを口にすれば堪えていた涙が一気に溢れ出してしまいそうで怖かった
楽しかった思い出を語り合うのも嫌
貴方の本心を聞くのも
貴方を咎めるのも嫌
もう弱さは見せない
貴方に背を向けて『さよなら』を言った
貴方は相変わらず何も言わず
私を呼び止めもしなかった
本当に終わった
愛しすぎた人
私は何一つ本心を言えずに苦しんだ
それは出会った時から
『会いたい』も『寂しい』も
だから最後まで貴方に嘘をつき続ける
嘘つきだった貴方へのお返しの嘘
『たくさんの嘘をありがとう』
貴方の嘘が裏切りだと知っていながらも
私は貴方の優しさだと思い込んだ
最低な貴方だったけど
最高に大好きだった