昔のあたしは、愛さえあれば何でも出来ると思ってた。
でも…実際は…
理奈「高田くん!早くしないと塾遅れるよ!」
拓海『ちょっと待てってー!おいっ理奈!』
中学2年の夏。
私、藤原理奈は来年は受験という事で、幼馴染みの高田拓海と塾へ通っていた。
ガチャ…
先生『あら、高田君と藤原さん。今日は新しい子が入って来たのよ』
理奈「こんにちは〜♪新しい人ですかっ!誰?」
先生は、理奈にコッソリ話した。
『ホラ…後ろの窓際の子。すっごいでしょ』
理奈「……!」
窓際の席に座っていた男は、今日から新しく塾に入って来たという。
男は、たるそうに黒髪をクシャクシャかき乱しながら、女の様な美しい顔で近くで騒ぐ女子達を睨み付けた。
理奈が言葉を失うぐらい、綺麗な顔だった。
拓海「スゴイって…何がですか〜!?」
拓海は怒り口調で先生に問い掛けた。
『だって…スゴク美形じゃない♪格好良いわね〜!!』
先生は、42歳のオバサンなので、イケメンに目が無いのだ。
拓海『そんな事だろうと思いました(笑)僕は普通で悪かったですね』
拓海はクッ、と小さく笑った。
『あら?高田君も充分格好良いわよ?ただ…』
先生