最後の光

アイ  2010-01-30投稿
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朝日が不気味なものに見えた時

僕の1日は終わったのだと思う

明日に希望が抱けなくて

昨日なんか忘れてしまいたくて

今日さえも拒んでしまったら

僕はどこに存在すればいいのだろう

何のために生きているのだろう

道筋は真っ直ぐじゃなくて

聞こえるのはひび割れた歌声

だけど歩かなきゃいけないから

簡単に絶望することもできない

退路を絶ったのは自分

後は時間に侵食されてゆくだけ

取り込まれて老人になってゆくだけ

光になれると信じていた少女

翼を持つつもりだった少年

すべての夢は美しく

儚い幻想となって消えてゆく

だからせめて心の安らぎを求めて

それがタバコの魅惑的な煙でも

すべてを忘れさせてくれる酒でも

現実逃避できる世界でも

あり得るもの

すべてにすがって生きてゆく

それが人間だなんて

それが大人だなんて

信じたくなくて目を閉じた

耳を塞いでも聞こえてくる街の雑踏

不機嫌な人であふれ返る地下鉄のホーム

大人が子供を愛するのは

分かる気がする

きっともうそれしかないから

無邪気さに任せるしかないから

憧れて信じてみるしかないから

翼を持てなかった無念を

光になれなかった夢を

美しい子供たちの影に重ねて透かし見る

万華鏡のような煌めきに

何故か涙が止まらなくなるんだ

明日はきっと素晴らしいよ

昨日は大事な思い出なんだよ

今日こそは笑わなきゃいけないんだよ

歩けるよ

まだ大丈夫だよ

生きてるよ

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