部屋は静かだった。
音がするといえば、
外の風の音くらいだろうか。
それからすぐ、音がした
カチャ、カチャ、カチャ
誰かがカギを開けている
ようだ。
カチャカチャ、ガチャ、
カギがあいた。
隼人は息を呑む。
ドアはゆっくりとひらき、男が一人入って来た。
足音がしない。
その時だった。
「うぎゃあぁっ」
隼人の右腕に激痛がはしる。
なにかが刺さっている。
「待てっ」
零の声がする。
布団ごしに聞こえる言葉は変なかんじがした。
ドタドタと足音が遠ざかる。
隼人は意識を失った。
−−−−−−−−−−−
予想外だった。
まさかナイフを投げるなんて
零は廊下を走っていた。
前には黒い服の男がいた
「くそっ」
なかなか追いつけない!
男は廊下を左に曲がった
「逃がすか!」
勢いよく曲がると男がナイフを突き出してきた