数日後。私と彼は同じ時間にバイトを終えた。裏口で一緒になり、気まずい私。あれからメールが一度も出来ずにいる。
『おっお疲れ様でした…』
『なぁ…』
帰ろうとすると呼び止められた。やはりビクッとする私…なんか失敗でもしたかな…
ゆっくり振り返る
『メール…ずっと待ってんだけど』
『えっ…』
『送ってくれないと連絡先、俺だけわかんないって事!』
『そっそうなの??』
確かに教えてもらった日、私のケータイしか触ってなかったのを思い出す。
そんなボケボケの私を見てか近くのカフェに行こうと誘われた。
歩いて3分先の木で統一されたお洒落なカフェは雰囲気に癒されると評判な場所でバイトの人達もよく足を運んでいる。
ドリンクを2つオーダーし沈黙。だってみんなで来た事はあっても2人で来た事は初めて…というか2人でどっか行くとかも初めてだ!こっこれってデートっていうのかな!?
と一人で慌てていると笑われた。
『百面相』
顔に出てたらしい…恥ずかし〜
でも笑ってくれた…嬉しいな
『あのっさ…メール』
咳ばらいをして話を切り出して来た。私は慌てて送る
ピロロ〜着信音
『名前だけ??』
『えっダメだった…??』
『まぁいいや…神崎鈴香…と』
名前を言われてドキッとする…目があって俯いてしまった!ドキドキするよ〜!!
視線をずっと感じもう一度見るとやはり目が合った。
『あっ…あのさっ!!』『えっ?』
『す…鈴香って呼んでいい!?』
顔を赤らめて話す彼に胸をしめつけられるような感覚…私は頷く事が精一杯だった。
なんだかカフェの雰囲気もあってか今日の彼は怖くなくて、笑った顔もいっぱい見られて楽しかった
お風呂の湯舟につかり今日あった出来事を振り返っていた。
私若林君の事何も知らないだけかもしれない…もっと彼の事が知りたい。そう思いながら彼からきたメールに返信して眠りにつくのだった。